遺言の内容を誰にも知られたくない場合に作成する遺言書が『秘密証書遺言』です。

自筆証書遺言と異なり、自分で署名押印さえすれば、パソコンやワープロ等の使用、または代筆してもらったりしてもかまいません。

 

秘密証書遺言の長所と短所

 <長所>

■遺言の内容を誰にも知られることがない

■遺言書の偽造・改ざんの心配がない

 

<短所>

■専門家による内容の確認作業が無いので、作成要件を満たさなかった場合、無効となってしまう

(自筆で作成されていた場合、自筆証書遺言の要件が満たされていれば遺言としては通用します)

■公証人等に関する費用がかかる

 

民法条文

(秘密証書遺言)

第九百七十条  秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一  遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。

二  遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。

三  遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。

四  公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

2  第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)

 

第九百七十一条  秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。